開業・独立

物件探し3年・内覧30件——弁当屋が立地選びで一番重視したのは駐車場だった

この記事の結論

物件探しに3年・内覧30件以上かけて開業しました。立地選びで最終的に一番重視したのは「商圏」でも「家賃」でもなく、駐車場の止めやすさでした。

内装工事費は約500万円、什器・外装・契約料と合わせて総額約1,000万円。業者選びには後悔も残ります。2店舗目はまったく別の経路——お客様からの紹介でした。

3
物件探しにかけた期間
30件以上
内覧した物件数
約1,000万円
1店舗目の開業費用総額
3ヶ月
契約から開業までの期間

前提:戦略のない開業前だったからこそ、基本に立ち返った

人口5万人未満の地方都市で弁当・惣菜店を営んでいます(詳しくはこの人について)。1店舗目を開業する前は飲食の経験がなく、「どこに出せば売れるか」という戦略が立てにくい状態でした。

だからこそ原点に戻り、「お弁当屋にわざわざ買いに来るお客さんは、何を重視するか?」という問いから立地選びを始めました。

立地選びの判断基準:最後は「駐車場」に絞った

候補に上がった立地の選択肢はいくつもありました。商店街、交通量の多いロードサイド、人が集まる施設の近く……。それぞれ一長一短があります。

最終的に私が一番に据えたのは、「駐車場の止めやすさ・入りやすさ」です。理由はターゲット層にあります。

弁当屋の主要客層は20〜40代の女性です。子どもを連れて車で来ることが多く、駐車が苦手だったり、入りにくい店は最初から候補から外れると考えました。どれだけ美味しくても、「止めにくいから行かない」という理由で来てもらえなければ意味がありません。

駐車場の条件を絞ったうえで、大きな病院や人が集まる施設からそれほど離れていない場所、という条件を重ねてマッチする物件を探し続けました。

3年・30件以上の物件探し:待つのではなく動いて探した

物件探しには3年かかりました。毎日のように不動産サイトを渡り歩き、新しい情報が出ていないか確認し続けました。それだけではなく、車で町を走りながらテナント募集の貼り紙を見つけたら、その場で電話して内覧を依頼するということも繰り返しました。

見た物件は30件を超えます。条件に合いそうで合わない、合うようで家賃が合わない、ということの繰り返しでした。情報は待つより動いて取りにいく姿勢が、結果的に選択肢を広げてくれました。

開業費用の内訳:飲食未使用の物件は水回りが高くつく

決まった物件は飲食店として使われたことのない物件でした。そのため、飲食仕様にするための内装工事に約500万円かかりました。特に高かったのは水回りです。排水・給水の配管工事は、居抜き物件との費用差が最も大きく出る部分です。

内装工事500万円に加え、什器・外装・物件契約料等で500万円。総額で約1,000万円の開業費用になりました。当時はサラリーマンとして働きながらの開業準備だったため、工事はほぼ業者任せです。

契約から開業まではちょうど3ヶ月。工事に2ヶ月、保健所の営業許可取得に1ヶ月かかりました。

業者選びの後悔:知り合いに頼んだことの一長一短

内装工事は知り合いの業者に依頼しました。飲食店専門ではなかったこともあり、専門知識がないまま「言われるがまま」になってしまいました。正解がわからないので判断を委ねた結果、「この設備はここまでのスペックは要らなかった」「ここはこうすればよかった」という細かな後悔が積み重なりました。

ただ、100%悪かったとは言えません。知り合いだからこそ、開業後に気になる点が出てきたときに無料で対応してもらえることもありました。飲食専門の工事業者はアフターサービスが限られることも多く、どちらが正解というわけではなく、一長一短というのが正直な評価です。

今思えば、専門業者に相見積もりを取りながら、知り合い業者の意見も参考にする、という進め方が理想でした。初めての開業では「正解がわからない」ことが最大のリスクです。

2店舗目:探していなかったのに、お客様から声がかかった

2店舗目は自分から探したわけではありませんでした。お客様から「うちの敷地に店を出してくれないか」と声をかけていただいたのがきっかけです。1店舗目の運営が順調だったことが信頼につながり、紹介という形で機会が生まれました。

オーナーが非常によくしてくれて、地域への口コミを広げてくれる「歩く広告塔」になっていただいたおかげで、開業後すぐに地域に浸透しました。売上を安定させるまでに苦労した1店舗目とは対照的に、2店舗目は比較的早く軌道に乗りました。

立地も公共設備の近くだったため、「ついでに寄ってもらえる」という想定外のメリットもありました。立地は探して見つけるだけでなく、信頼の積み上げが次の物件を連れてくることもあると学びました。

よくある質問FAQ

飲食店の物件はどうやって探せばいいですか?

私は不動産サイトを毎日巡回するとともに、車で町を走りながらテナント募集の貼り紙を見つけたらその場で電話して内覧を依頼していました。3年で30件以上を見ました。情報は待つより動いて取りにいく姿勢が大事です。

飲食店の物件を決める際に何を一番重視しましたか?

駐車場です。弁当屋のターゲット層(20〜40代女性)は車で来店することが多く、止めやすく入りやすい駐車場が集客に直結すると判断しました。実際に「お子様の乗り降りがしやすい」「道路が広くて入りやすい」という声を多くいただいています。

飲食店の内装工事費はどのくらいかかりますか?

私の場合、飲食未使用の物件を飲食仕様にするため内装工事に約500万円かかりました。水回りが特に高く、什器・外装・物件契約料と合わせると総額約1,000万円になりました。居抜き物件であれば大幅に圧縮できます。

工事業者は専門業者と知り合いどちらがいいですか?

一長一短です。私は知り合いに依頼しましたが、専門知識がないまま任せてしまい細かな後悔が残りました。一方でアフターサービスは良好で、無料で対応してもらえることもあります。専門業者は施工品質が高い反面アフターは限られる場合も。初めての開業なら、飲食店専門の内装業者に相見積もりを取ったうえで判断することをおすすめします。

2店舗目の物件はどうやって見つけましたか?

お客様からの紹介です。「うちの敷地に店を出してくれないか」と声をかけていただきました。1店舗目の運営実績があったからこそ得られた縁だと思っています。公共設備の近くという立地で「ついでに寄ってもらえる」という思わぬメリットもあり、売上を安定させるまで苦労しませんでした。