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地方で小商いを仕組み化する人の話

この記事の結論

火加減手帖を書いているのは、人口5万人未満の地方都市で弁当・惣菜店を2店舗営む、開業3年目の個人事業主です。元は自動車部品メーカーの生産技術職で、味は専属の調理担当に任せ、仕組みづくりから経営まではほぼ一人で回しています。

このサイトでは「地方の小さな飲食店が、仕組みで勝つ」をテーマに、私が実際に使ったツール・実際に出た数字だけを書きます。大手の比較サイトには絶対に書けない一次情報が、ここの全部です。

2
店舗
3年目
開業からの年数
89%
集計作業の時間削減

まず、どこの誰が書いているのか

名乗れる範囲で正直に書きます。私は人口5万人に満たない地方都市で、弁当と惣菜のお店を2店舗やっています。開業して3年目。規模はおおよそ年商800〜1,000万円規模の、ごく小さな商いです。

店名や正確な売上、住んでいる場所は、あえて伏せています。理由はシンプルで、「実際にいくら使って、いくら残ったか」を率直に書くためです。店が特定される状態だと、どうしても書けることが減ります。だから地域は「人口5万人未満」、規模は「年商800〜1,000万円規模」というぼかした表現で、リアリティだけ残して匿名性を確保しています。

もう一つの前提として、私は元メーカーの生産技術職でした。自動車部品の製造現場で、「どうすればこの作業を速く・安く・ミスなくできるか」をずっと考える仕事です。飲食店をやっている今も、頭の中身はそのときから変わっていません。

「料理人」ではなく「生産技術の人」が弁当屋をやると、こうなる

正直に言うと、私は腕一本でのし上がった料理人ではありません。前職は工場で、図面とデータと改善提案に囲まれて過ごしていました。だから弁当屋を始めたとき、最初に気になったのは味そのものよりも「この作業、毎日同じことを手でやってないか?」という点でした。

小さな飲食店は、想像以上に「手作業の集合体」です。注文の集計、日々の売上の記録、仕入れの管理、経費の仕分け。一つひとつは数分でも、毎日積み重なれば膨大な時間になります。しかも、その時間は1円も生みません。

そこで私は、前職でやっていたことをそのまま持ち込みました。「人がやらなくていい作業は、全部プログラムに渡す」という発想です。

たとえば、毎日45分の集計を5分にした話

開業当初、私はある集計作業に毎日45分ほど使っていました。手で数えて、手で転記して、電卓を叩く。地味ですが、確実に毎日発生する作業です。

これを Google Apps Script(GAS) で自動化したところ、同じ作業が約5分で終わるようになりました。削減率にして約89%。1日40分でも、1か月で約20時間、1年で約240時間です。その時間を新メニューの試作や、本来やるべき経営の判断に回せるようになりました。

派手な話ではありません。でも、小商いの利益はこういう「地味な時間の積み重ね」で確実に変わります。火加減手帖で書きたいのは、まさにこの種のリアルな改善です。

味は専属の担当に任せ、私はそれ以外を回す

飲食店なので、何より大事なのは味です。だからキッチン(調理)は、味を任せられる専属の担当に預けています。私はもともと料理人ではありません。味の核心は、餅は餅屋。ここに私が口を出すことはありません。

その代わり、私が見ているのはそれ以外のほぼ全部です。業務を回す仕組み(システム)、お金を管理する経営、2店舗のオペレーション。これらは基本的に一人で担っています。

面白いのは、仕込みの話です。最初は調理担当の手伝いとして仕込みに入っていたのですが、毎日続けるうちに、私一人でも一通りこなせるようになりました。すると今度は、現場が「当たり前」としてやっていた手順の中に、無駄や重複が次々と目に付くようになったんです。ノートに書いた生産計画を、バイトへの指示のためだけにホワイトボードへ書き写す。レシートを一枚ずつパソコンに手入力する。原価を調べるたびに、伝票の束をひっくり返す。——どれも「昔からこうだから」で続いていた作業です。生産技術の癖で、つい「これ、人がやる必要があるか?」と考えてしまう。

この「現場を自分の手で覚えたうえで、外から仕組みを直す」という両取りが、たぶん私の一番の強みです。味は信頼できる担当に任せ、私はその周りにある無駄をひたすら削る。役割を分けているからこそ、どちらも前に進められています。

一人で全部を見るのは大変です。けれど、だからこそ「仕組み化」が生命線になります。人を増やせないなら、作業を減らすしかない。減らせないなら、自動化するしかない。この順番で考えるのが、私のやり方です。

これからやろうとしていること:福祉という新しい挑戦

いま私は、飲食事業とは別に 就労継続支援A型事業所の立ち上げを進めています。障がいのある方が雇用契約を結んで働く、福祉と事業の真ん中にある仕組みです。

福祉の分野は、私にとってまったくの新領域で、現在進行形で学んでいます。ただ「人が働きやすい仕組みを設計する」という意味では、これまでやってきた業務改善と地続きだと感じています。この立ち上げの過程も、つまずきも含めて、いずれこのサイトで書いていくつもりです。

このサイトで紹介するものの基準

火加減手帖では、ツールやサービスを紹介することがあります。ただし基準は一つだけ。「私が実際に使っているもの・使ったことがあるものだけ」書きます。

「おすすめ10選」のような比較記事は作りません。使ったことのないものを並べても、それは大手の比較サイトと同じで、私が書く意味がないからです。代わりに、「私が実際にこれを選んだ理由」「2年使ってどうだったか」という形で、一次情報として正直に書きます。良かった点も、面倒だった点も、どちらも。

まとめ:地方の小商いを、仕組みで強くする

私は特別な経営者ではありません。地方都市で小さな店を2つやっている、元エンジニアの個人事業主です。武器があるとすれば、「現場のリアル」と「自動化のスキル」を両方持っていること。この2つが交わる場所で起きたことを、できるだけ正直に記録していくのが火加減手帖です。

もしあなたが地方で小さな商いをしている、あるいはこれから始めるなら、ここに書くことのいくつかは役に立つはずです。弁当屋の話を入口にしていますが、中身は小規模・地方・個人事業に共通する話に広げていきます。どうぞ気軽に読んでいってください。

よくある質問FAQ

火加減手帖はどんな人が書いていますか?

人口5万人未満の地方都市で弁当・惣菜店を2店舗経営している、開業3年目の個人事業主です。元は自動車部品メーカーの生産技術職で、味は専属の調理担当に任せ、仕組みづくりから経営までをほぼ一人で担っています。

なぜ店名や所在地を公開していないのですか?

実際の売上や経費といった一次情報を率直に書くために、店舗が特定されない形を選んでいます。地域は「人口5万人未満の地方都市」、規模は「年商800〜1,000万円規模」といったぼかした表現で、リアリティは保ちつつ匿名性を確保しています。

プログラミングは飲食店経営にどう役立っていますか?

GAS・Python・VBAで注文管理や経理の集計を自動化しています。たとえば毎日45分かかっていた集計作業を約5分まで短縮(約89%削減)するなど、人手の作業を減らして本業に時間を回せるようにしています。

弁当屋以外の個人事業主が読んでも役に立ちますか?

役に立つように書いています。題材は弁当屋の実体験ですが、経理の仕組み化・ツール選び・開業の手順などは、美容・整骨院・小売・フリーランスなど小規模で地方の事業者に共通する内容です。