仕組み化

在庫の仕組みをAIと作ったのに続かない——弁当屋が「押す記録」をやめ、1日1回数える形に変えた現在地(※進行中)

この記事の結論

発注漏れと段取り漏れをなくすために、AI(Claude)と一緒に在庫の仕組みを作りました。でも「できた」を押して在庫を動かす記録は、回りませんでした。押し忘れで記録が実物からずれ、ずれた画面は誰も信用しなくなるからです。

そこで1日1回、決まった10品前後の「今ある数」だけを入れる形に変え、入っていなければスマホに通知が届くようにしました。それでも、通知は毎日届いているのに、やれていないのが実態です。次に直すのは、作った私でも読むのがきついほどの画面の文字の多さだと考えています。

2つ
作った画面(担当者用と管理用)
10品前後
毎日数えることにした物
1日1回
入力をまとめた回数

なぜ在庫の仕組みを作ろうと思ったか

人口5万人未満の地方都市で弁当・惣菜店を2店舗やっています(詳しくはこの人について)。調理は料理担当のパートナーが担い、経営・仕組み化は私がほぼ一人でやっています。

以前の記事(発注量を感覚で決めてきた弁当屋が、仕組み化を決意するまで)で、半自動の発注と簡単な棚卸の仕組みを「設計中」と書きました。この記事はその続きです。

きっかけは発注漏れでした。ただ、同じくらい段取り漏れもあります。もっと正確に言うと、一番困っているのは段取りが重なって、1日の作業の量にむらが出ることです。

私の店では、弁当の具の一部を何日分かまとめて作り、パックで冷凍しています。生産計画は冷凍庫にあるパックの数に合わせて立てるので、冷凍庫に何がいくつあるかを知らないと、仕込みが抜けます。抜けた分は別の日にまとめて作ることになり、その日だけ作業が膨らみます。

AIと一緒に作った在庫の仕組み

2026年の秋、AI(Claude)と話しながら、在庫と段取りの仕組みを作りました。私が店のやり方を説明し、AIが画面とプログラムを作り、試作を見て直す、をくり返しています。

画面は2つに分けました。

画面使う人・場所中身
担当者用アルバイトの人(将来)/店のタブレット今日やること(明日の生産計画に間に合わせる段取りと仕込み)、詰め終わりの残り
管理用私/パソコン在庫、段取り、購入リスト、棚卸し、品目やレシピの登録

担当者用の「今日やること」は、「今日中に必ず」と「時間があれば」の2段に分けて出します。生産計画を最優先にし、最近14日の使い方から見て残りが3日分を切りそうな物も「作る」に出します。作業を終えたら「できた」を押すと、冷凍庫の数が増えたり、材料が減ったりする作りです。

朝の在庫の引き落としも、手入力はやめました。最初に作った在庫の一覧は、朝の忙しい時間に手で引く形にしていて、不便すぎて使えなかったからです。今は生産計画から自動で引き落とします。

「できた」を押す記録は、回らなかった

仕組みとしては動きました。でも、肝心の「できた」が押されませんでした。冷凍庫から出した、作った、詰め終わった、どれも押せていません。理由を書き出すと、こうなります。

  • 開店直後は忙しく、落ち着いてからやろうとして忘れる
  • 押す物が多すぎて面倒
  • まだルーティンになっていない。これが一番大きいです
  • 誰が押すかを決めていない。スタッフにもまだ伝えていません。まず私が操作して「行ける」と思ってから伝えるつもりです。何度もやり方が変わるのは、仕組みとしてよくないと思っているからです

ほかの準備も重なって、私の手が回っていなかったのも事実です。

整理してみると、困りごとは1本につながっていました。

順番起きること
1手が回らない
2「できた」が押せない
3記録が実物からずれていく(押し忘れが積み重なる)
4購入リストや「今日やること」が信用できなくなる
5画面を見なくなり、また手で判断する

特に困るのは、記録の方が実物より多くなったときです。画面上はまだあることになっているので「作る」が出ず、そのまま仕込みが抜けます。

押す記録をやめて、1日1回数える形にした

整理していて気づいたのは、在庫の数を使って段取りを決めている物は、一部だけだということです。冷凍の作り置き、使いかけの具材、ゆで卵、味付けした肉など、10品前後でした。ご飯の用意や肉の解凍などは、生産計画だけで正しく出ます。

そこで、やることを1日1回・1か所にまとめました。

  • 担当者用の「今日やること」の一番上に「今ある数」を置き、10品前後の数を入れる
  • 変わっていない物は「見込みどおり」を1回押すだけ。見込みは、前回数えた数から使った分を引いた数です
  • 3日より前に数えた物には見込みを出さず、数えてもらう
  • 「できた」は押さなくてもよい(押せば翌日の見込みが合う)
  • 毎週の照合はやめる(毎日数えるので要らない)
  • 決まった時刻までに入っていなければ、スマホ(Discord)に知らせが届く

使うたびに押す記録は、忘れた分のずれがどんどん積み重なります。毎日数える形なら、忘れた日があっても、次に数えた日に正しい数に戻ります。最初に試作を見たとき、私は「変わりのないところは、前回と変更なし、くらいの操作が望ましい」と頼みました。「見込みどおり」の1回押しは、そこから生まれました。

正直な現在地:通知は届くのに、やれていない

この形で試し始めて、まだ続けられていません。知らせがスマホに飛んできているのは確認できているのですが、やれないのが実態です。

原因として一番大きいと思っているのは、画面の文字の多さです。作った私が読んでもきつい。アルバイトの人なら、理解しようとする前に拒否反応が出ると思います。いずれアルバイトの人にも使ってもらうつもりなので、ここが直すべき箇所だと考えています。

AIと作ると、決まりや説明を足すのは簡単です。そのぶん、画面に文字が増えていきました。次は、説明を読まなくても、見ただけで何をすればいいか分かる画面に削っていくつもりです。続けられるようになったら、またここに書き足します。

まとめ

在庫の仕組みは、作ること自体よりも毎日続けることの方がずっと難しいと分かりました。使うたびに押す記録は、押し忘れでずれが積み重なり、信用されなくなります。

今は、段取りに本当に使う10品前後だけを1日1回数える形にして、それでもまだ回っていない段階です。次は画面の文字を減らします。うまくいかなかったことも含めて、また続きを書きます。

よくある質問FAQ

小さな飲食店の在庫管理は、何から数えればいいですか?

段取りや発注の判断に実際に使う物だけから始めるのがよいと思います。私の店では、在庫の数を使って段取りを決めているのは冷凍の作り置きや使いかけの具材など10品前後で、それ以外は生産計画だけで決まっていました。全部を数えようとすると続きません。

「使ったら押す」在庫の記録が続かないのはなぜですか?

押し忘れが1回あるだけで、記録が実物からずれ、そのずれが積み重なるからです。ずれた記録は信用されなくなり、誰も見なくなります。私の店では、忙しい時間に「あとで押そう」として忘れることと、押す物が多すぎることが原因でした。

毎日数える形と、使うたびに押す形はどちらがいいですか?

私は毎日1回数える形に変えました。数えた時点で記録が実物に戻るので、忘れた日があっても次に数えた日に正しくなります。変わっていない物は「見込みどおり」を1回押すだけにして、手間を減らしました。ただ、それでもまだ続けられていないのが正直なところです。

アルバイトの人にも在庫の画面を使ってもらうには、どうすればいいですか?

まだ答えは出ていません。私の画面は文字が多く、作った私でも読むのがきつい状態でした。アルバイトの人は、理解しようとする前に拒否反応が出ると思っています。次は、文字を減らして見ただけで分かる画面に直すつもりです。