開業1年目は商工会に勧められるがまま弥生会計を使いましたが、プラットフォームの複雑さとサポートの分かりにくさに疲れ、2年目からマネーフォワード クラウド会計に切り換えました。
乗り換えの決め手は、「困ったときに他の個人事業主の知見がネットに豊富で、調べやすかった」こと。切り換えてから2年、月次経理の時間は約75%削減、確定申告も税理士なしで2回やりきっています。
前提:1年目は流れで弥生会計を入れて、つまずいた
はじめに立場を明確にしておきます。私は人口5万人未満の地方都市で弁当・惣菜店を2店舗やっています(詳しくはこの人について)。
開業時に会計ソフトを選ぶとき、商工会の担当者と友人から、どちらも弥生会計を勧められました。詳しく検討したわけではなく、「周りが使っているならそんなものか」という気持ちで、そのまま導入しました。
ところが使い始めると、いくつかのことで戸惑いました。弥生会計にはPCにインストールして使う買い切り版とオンライン上で使うクラウド版があり、どのプランを選ぶべきか、最初からよく分からなかったのです。迷ったときに商工会や友人に聞いても「自分で調べて」と言われることが多く、公式サイトを見ても、私には情報の読み解き方が分からなかった。
不満を抱えながら1年使い続け、年度が変わるタイミングでマネーフォワード クラウド会計への乗り換えを決めました。それから2年使い続けているのが、いまの立場です。
マネーフォワードに切り換えた理由(3つ)
理由①:困ったときに「調べやすい」環境があった
弥生会計でいちばん困ったのは、「何か分からないことがあったときの出口がなかった」ことです。商工会に聞いても友人に聞いても「自分で調べて」。公式サイトを見ても、私には情報の構造が掴みにくかった。
切り換えを調べているうちに気づいたのが、マネーフォワードは個人事業主がネットに残している知見が圧倒的に多いということです。「マネーフォワード ○○ やり方」で検索すると、同じ立場の人が丁寧に解説しているブログや記事がたくさん出てくる。弥生会計のときに感じた「壁」が、ここにはなかった。
サポート窓口に電話できるかどうかより、「自分で調べて自分で解決できる環境があるか」の方が、私には重要でした。これが切り換えの一番の理由です。
理由②:AirレジなどのツールとAPI連携できた
レジはAirレジを使っていて(詳しくはAirレジの正直レビュー)、会計ソフトへの毎日の売上入力を自動化したかった。マネーフォワード クラウドはAirレジとAPI連携しており、売上データが自動で取り込まれます。銀行口座・クレジットカードの明細も自動取得して仕訳を提案してくれるので、手入力の量が劇的に減りました。
レジも口座も「登録したら、あとは流れてくる」。これを実現する連携の数と質が、乗り換えの背中を押しました。
理由③:青色申告書類まで自動生成できた
2年目には初めての確定申告が待っていました。「このソフトを使えば申告書類まで出せるのか」が乗り換え前の最大の不安でしたが、マネーフォワード クラウド会計は青色申告決算書・損益計算書・貸借対照表まで自動で作れます。
日々の仕訳が正しく入っていることが前提ですが、自動仕訳の提案があるので確認・修正という流れで作業できます。税理士なしで2回やりきれたのは、この機能があったからです。
切り換えてから「これは良かった」と感じた点
- 経理時間が大幅に短縮された。月次の帳簿作業が以前の半日以上から1時間台へ(約75%削減)。
- 確定申告を2年連続で自力でやれた。書類が自動生成されるので、税理士費用ゼロで乗り切れています。
- Airレジ連携で売上の二重入力がなくなった。レジで打った金額がそのまま会計ソフトに入るので、転記ミスの心配がない。
- 困ったときにすぐ調べられる。ネット上の知見が豊富なので、ほとんどの疑問は検索で解決できます。これが毎日効いています。
正直に惜しい点(2年使って感じた本音)
良いことばかり書くレビューは信用できないので、ここからは本音です。
惜しい点①:月額費用が発生する
有料プランには月額費用がかかります。金額はプランや時期によって変わるので公式サイトで確認してほしいのですが、毎月固定費が追加される、という点は事実です。
私は「経理時間の削減と確定申告の自力完了(税理士費用ゼロ)に対する対価」として納得しています。ただ、固定費をとにかく抑えたい時期には心理的なハードルになるのは正直なところです。
惜しい点②:レシートのOCR読み取りが完璧ではない
スマホでレシートを撮影して経費を登録できますが、手書きレシートや小さい字のレシートは読み取りが崩れることがあります。金額・日付・店名を確認するひと手間が残ります。
ただ現金で払う経費の割合は減っているので(銀行・カード連携で自動取得できるものが増えた)、この手間の絶対量は少ないです。「完璧ではないが、使えないわけでもない」という評価です。
向く人・向かない人
| 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|
| 「調べて自己解決」スタイルが合う人 | サポートに電話して即解決したい人 |
| AirレジなどのPOSレジを使っている人 | 固定費をとにかくゼロに抑えたい人 |
| 青色申告を自力でやりたい個人事業主 | 税理士に丸投げで書類は見ない方針の人 |
| 経理時間を削って本業に集中したい人 | 現金取引がほぼすべての超小規模店 |
「向かない人」に当てはまる方には、電話サポートが充実した弥生会計も選択肢として検討してみてください。
マネーフォワード クラウド会計
AirレジなどのPOSレジと連携し、売上データを自動取り込み。銀行・クレジットカードの明細も自動仕訳。青色申告書類まで自動生成できます。個人事業主・小規模店の経理時間削減に向いています。
マネーフォワードの公式情報を見るまとめ:「調べやすさ」が、私の乗り換えを決めた
弥生会計からマネーフォワードに切り換えた一番の理由は、機能でも価格でもなく「困ったときに自分で調べて解決できる環境があるかどうか」でした。商工会や友人に聞いても前に進めなかった1年の経験があったから、この「調べやすさ」の価値が体感として分かります。
切り換えてから2年、経理時間は大幅に減り、確定申告も自力でやりきれています。乗り換えたことを後悔したことは一度もありません。
ただ、月額費用が発生する点は事実です。固定費をとにかく抑えたい時期や、税理士に全部丸投げする方針なら、別の選択肢も検討する価値があります。上の表で自分の状況に照らし合わせてみてください。
よくある質問FAQ
マネーフォワード クラウド会計は個人事業主でも使えますか?
使えます。個人事業主向けプランが用意されており、青色申告に必要な帳簿類・決算書類の作成まで対応しています。私自身、個人事業主として2年目から導入し、2年分の確定申告を自力でやりきっています。
弥生会計からマネーフォワードへの乗り換えで困ったことはありましたか?
私の場合はほぼ困りませんでした。弥生会計での1年分のデータは弥生側に残したまま、マネーフォワードを新年度から新規スタートしたからです。過去データの移行は行わず「切り換え日以降はすべてマネーフォワード」と割り切ったことで、移行作業の手間はほとんどかかりませんでした。
マネーフォワード クラウド会計は青色申告に対応していますか?
対応しています。日々の仕訳が正しく入力されていれば、青色申告に必要な損益計算書・貸借対照表・青色申告決算書が自動で作成されます。私はこの機能を使って2年分の確定申告を税理士なしで行いました。
マネーフォワード クラウド会計は無料で使えますか?
無料プランもありますが、連携できる金融機関数や仕訳件数に制限があります。青色申告書類の作成や制限なしの連携には有料プランが必要で、私は有料プランを利用しています。月額費用は発生しますが、経理時間が大幅に減った対価として納得しています。