LINE公式アカウントの友だちは800人を超えているのに、開業から一度もこちらから配信したことがありません。それでもショップカード・リッチメニュー・予約誘導の3つの機能が、日々の業務で静かに機能し続けています。
「配信してナンボ」というLINE公式の使い方を意図的に避けた理由と、開業から今日までの変遷を一次情報でまとめます。
前提:この店とLINEの関係
人口5万人未満の地方都市で弁当・惣菜店を経営しています(詳しくはこの人について)。開業と同時にLINE公式アカウントを開設し、紙のスタンプカードは最初から作りませんでした。
「毎日のメニューをLINEで流せばいいのでは?」と言われることがありますが、私自身がそういう通知を毎日受け取ったら、すぐブロックすると思っています。それが配信しない理由のすべてです。
開業から今日までの3ステップ
ステップ1:まずショップカードだけ設定した
開業日にやったのはショップカードの設定だけです。紙のスタンプカードを発注する代わりに、LINE上でスタンプを貯められるショップカードを用意しました。
紙のスタンプカードにしなかった理由は単純で、印刷コストがかかる・紛失される・管理が手間の三重苦が見えていたからです。LINE上であれば、スタンプは消えないし、私たちが管理する手間もない。
最初のうちは「LINE?スマホ持ってないんだけど」という方もいましたが、常連になってくれた方に「ショップカードがありますよ」とお伝えすると、次の来店からスタンプを貯め始めてくれる方がほとんどです。感覚値ですが、常連さんの9割以上はショップカードを使っています。
ステップ2:リッチメニューに今日のメニューを表示した
次に追加したのがリッチメニューです。LINEを開いたときに画面下部に表示されるボタンのことで、タップすると今日のメニューが確認できる仕組みにしました。
ここで大事なのは、こちらから「今日のメニューはこれです」と送るのではなく、見たい人がタップして確認する形にしている点です。お客さんが自分のタイミングで見にくる。それが私の考えるLINEの正しい使い方です。
リッチメニューの画像はCanvaで作りました。LINE公式アカウントが指定するサイズに合わせてテンプレートを調整するだけで、難しいことはありません。最初だけ少し迷いましたが、一度作ってしまえばあとは内容の差し替えだけです。
ステップ3:HPができてから予約の入り口に変えた
開業から約2年後、自店のホームページを作りました。それ以降、予約受付の主軸はHPに移し、LINE公式アカウントはHPへ誘導する入り口として役割を再定義しました。
具体的には、当日の取り置き注文はGASを使ってLINEに通知が届く仕組みにしています(詳細は予約管理の仕組み化で解説しています)。後日の予約はリッチメニューからHPの予約フォームへ飛ぶようにしています。
「LINEで予約を直接受け付けない」という判断は、チャット対応の手間を省くためです。1対1のやりとりが発生すると、確認→返信→再確認の連鎖が生まれます。HPのフォームに統一することで、その連鎖を断ちました。
初回クーポンは「来てみるか」のきっかけ作り
友だち追加時に初回クーポンを配布しています。使用率は感覚値で10%前後です。
低いと感じるかもしれませんが、私はそう思っていません。多少お得なら一度食べてみようか——という気持ちで来てくれるお客さんのうちの何割かが常連になってくれる。その入り口としてのクーポンです。来店のきっかけを作るものであって、既存客の囲い込みではないので、10%でも十分に機能していると感じています。
なぜ一度も配信しないのか
「友だちが800人いるならキャンペーンを打てばいいのに」と言われます。でも今のところ配信しません。理由はふたつです。
ひとつは冒頭に書いた通り、自分がうっとおしいと感じる頻度では送らないという方針。もうひとつは、配信をやめた瞬間に「あの店、最近音沙汰ないな」という印象を与えるリスクがあるからです。期待値を上げてしまうと、維持コストが生まれます。
年に一度の周年祭だけは配信しようと考えています。頻度が低いほど開封率は高い。その一回に感謝と特典を込めれば十分だと思っています。
正直な弱点3つ
① 初期設定は少し迷う
リッチメニューの作り方、画像の作成、ショップカードの特典設定(何回で○円引きか、など)は、初めてだと迷う部分があります。ネットで調べながら進めれば解決しますが、ITが苦手な方には少し手間かもしれません。
② スタッフへの共有が抜けていた
お客さんから「スタンプカードってどうやって出すの?」と聞かれたとき、スタッフの一部が答えられないことがありました。私が設定して終わりにしてしまい、使い方をスタッフに伝えていなかったのが原因です。設定したら必ずスタッフに操作を見せる、という手順を省いたことへの反省があります。
③ 高齢のお客さまには紙のほうが早い
スマートフォンに慣れていない高年齢層には、紙のスタンプカードのほうが敷居が低いのは事実です。「LINEはよくわからない」という方に無理に使ってもらう必要はありませんし、実際にそういう方にはショップカードを勧めることもしていません。
まとめ
- 開業と同時にLINE公式を開設。紙のスタンプカードは最初から作らなかった
- 使っている機能はショップカード・リッチメニュー・予約誘導の3つだけ
- 友だちは800人超だが、配信は一度もしていない(年1回の周年祭のみ予定)
- 初回クーポン利用率は約10%。常連のショップカード利用率は感覚値で90%超
- 弱点はスタッフへの共有不足と、高齢のお客さまへの敷居の高さ
よくある質問FAQ
LINE公式アカウントは無料で使えますか?
フリープランがあり、基本機能は無料で使えます。ショップカードやリッチメニューはプランを問わず利用できます。配信数が少ない、あるいは配信しない使い方であればフリープランで十分な可能性があります。
ショップカードの設定はむずかしいですか?
LINE公式アカウントの管理画面から数ステップで設定できます。スタンプ数と特典の内容(○円引き・無料など)を決めるだけなので、特別な知識は不要です。ただし「何回でどんな特典にするか」は事前に決めておく必要があります。
配信しないと友だち数は意味がないのでは?
私はそう思っていません。友だちになってくれた人がショップカードを使い、予約を入れてくれる——それだけで十分に機能しています。配信は頻度を間違えるとブロックされるリスクもあります。年1回の周年祭だけ配信すれば、開封率は高く保てます。
紙のスタンプカードと比べてどうですか?
コスト面では明らかにLINEのほうが安い。印刷代・管理コストがゼロです。ただし高齢のお客さまや、スマートフォンに慣れていない方には紙のほうが敷居が低いのも事実です。客層に合わせた判断が必要だと思います。
リッチメニューの画像はどうやって作りましたか?
Canvaを使って作成しました。LINE公式アカウントが指定するサイズに合わせてテンプレートを調整するだけで作れます。最初は少し迷いましたが、一度作ってしまえばあとは内容の差し替えだけです。